クラリネット奏者 有馬理絵 オフィシャルサイト

クラリネット、バスクラリネット奏者 有馬理絵 
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2019 5/5 学校の楽器について

G.W.も終盤。いかがお過ごしでしょうか?
先日、バスクラリネットを始める方に向けてのtweet(clarie330)をしたのですが、もうひとつ
いつもとても気になっているバスクラリネットの楽器についての話を。。
こちらは長文になるのでblogに書きました。

レッスンで各地にうかがう際に 「高音が上手く出せません」 という悩みをもっている生徒さんが多いです。
バスクラリネットの中低音域をちゃんと出せるのに高音域を上手く出せない。。。
その原因は。。。

実は楽器自体に問題があるのです。

それを証明するために、私の楽器を吹いてもらいます。

すると

ほぼ全員が難なく高音を出せます。そして皆
「私のせいじゃなかったんだ。。」
と、気付くのです。

中学校や高校の備品のバスクラリネットは著しく老朽化してしまって。。。
(決して古い=悪いではありませんが。。。)
具体的に不備な箇所がなくても、いくら調整しても高音が鳴らない楽器がたくさんあります。

そんな楽器で一生懸命に高音を出す練習をしても
出ないものは出ません。

なのに「鳴らせないのは自分の技量の問題だ」と、苦悩する生徒さんのなんと多いことでしょう。

とは言っても昨今のバスクラリネットはとても高価。簡単に買い替えられるような楽器ではありませんし、楽器編成の都合上、低音楽器のバスクラリネットがどうしても欲しい! と望まれる学校がほとんど。

では、そんな場合にはどうすれば良いのか?

老朽化した楽器でもマウスピースなどの仕掛けが整っていれば、多くの低音域は、ある程度、鳴らす事ができるようになるのです。

完ぺきではないが、ある程度。。。
吹奏楽コンクールの課題曲(Ⅴ以外)の音域くらいであれば、ある程度対応できるはずなのですが、昨今の吹奏楽曲は年々レベルが高くなっているため完ぺきにするのはとても難しく、不可能とも言えます。

では、ある程度のもう少し先へ。。。
そんな場合は高音域は1オクターブ下げて演奏する。もしくは低音が必要な箇所だけバスクラリネットを用い、他はクラリネットに持ち替える。などの柔軟な対応を指導の先生方が考えて頂ければと思います。

取り立てて故障もしていないのにちゃんと鳴らない楽器がある事を指導者の方にはご理解頂き、
楽器の問題でうまく鳴らせないのに自分を責め、無意味な練習を繰り返してしまう。。
そんな生徒さんが1人でも減るとよいなぁ、、、と思っています。

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